歯の表面や歯と歯の間、歯と歯肉の境目、詰め物や被せ物の境目などに付着するプラーク(歯垢)。ブラッシング後、一見すると全て取り除けているように見えます。しかし、いくら丁寧に行っていてもブラッシングだけでは除去することができない強固なものがあるのです。
ムシ歯や歯周病を引き起こす様々な細菌は複雑に絡み合い、共同体を形成します。しかもこの共同体はねばねばとした粘液状の「よろい」で守られ、洗口剤はもちろんブラッシングの力だけでは破壊除去することができません。
この「よろい」に守られた細菌共同体を「バイオフィルム」と呼びます。台所の流しにある三角コーナーや排水溝のあのヌルヌル汚れを想像してください。ではどうしたらこの「バイオフィルム」を取り除くことができるのでしょうか?
実は画期的な方法があるのです。
「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」です。
トレーニングを積んだ歯科医師や歯科衛生士が、様々な専用器具やペーストを用いて積極的に除去するテクニックなのです。
@ プラークの染め出し
A 研磨用ペーストの注入、塗布
B 隣接面の清掃・研磨(ラバーカップ・チップ、ブラシなど)
C 頬舌側面・咬合面の清掃、研磨
D 歯面・ポケット内の洗浄
E フッ化物塗布
上記の内容を患者さんの口腔内のリスク(唾液検査等から分析したカリエスリスクや顕微鏡検査、細菌検査、歯周病検査から分析した歯周病リスク)に応じて約1ヶ月から6ヶ月ごとに定期的に行っていきます。
歯ブラシの行き届かない部分のバイオフィルムを破壊除去することが目的ですので、腕のいい衛生士でもひとりあたり約1時間が必要です。「ホワイトニング」「3DS」「レーザー口臭治療」などを希望される患者さんはこの後引き続きそれらの処置を行います。
大切なことはPMTCはあくまでも「予防処置」であり、痛みを感じることはまったくなく、非常に気持ちがよくお口の中は非常に爽快になることなのです。
熟練者によるPMTCをお受けになりますと、術後歯面はとてもつるつるしており、しかもその状態が極端な話、歯を磨かなくてもいいんではないかと思うほど持続します。ムシ歯や歯周病の治療の後、1度だけ受けて、その後中断してしまう方や間隔が空いてしまう方がたまにおられます。しかし、この気持ちが良いメインテナンスを継続することにより、過去何年間も苦しんできたムシ歯の再発や歯肉の腫れ、口臭や疼痛などから開放され、大変健康な生活を送られている方が毎日来院される患者さんの半分を超える状態になってきました。
どうせ自分は遺伝でムシ歯になるんだ、歯周病で総入れ歯になるんだとあきらめていた方、あきらめずにまずはご連絡ください。
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